文化・芸術・スポーツは生きる力 障がい者の活動の環境整備へ
ロシアのソチで開かれた冬季オリンピック。和歌山県から4大会ぶりに冬季オリンピックに出場したスケートの坂爪亮介選手(海南市・タカショー)は、惜しくも予選で敗退しましたが、和歌山に爽やかな風をもたらしてくれました。そして3月7日からは冬季パラリンピックが、同じソチで始まります。一昨年のロンドンパラリンピックの競泳で中村智太郎選手(橋本市)が銀メダルに輝いたことが記憶に新しく、今大会でも日本選手の活躍が期待されています。
こうしたトップアスリートを支える国内で唯一の「障がい者スポーツの医科学研究拠点」に、昨年4月、和歌山県立医科大学みらい医療推進センターが運営する「げんき開発研究所」(和歌山市フォルテワジマ5階)が、文部科学省から認定されたことをご存知でしょうか。ここには最新鋭のトレーニング施設や分析装置が備えられ、パラリンピック選手のメディカルチェックなどを行っています。所内では車いすのまま急こう配の坂の走行が可能な「トレッドミル」や「人工気候室」「床反力装置」などが備わり、これらが1カ所に集まっているのは国内でもここだけという立派な施設です。
公明党は幅広くスポーツを振興する「スポーツ庁」の設置などを訴え、2011年にはスポーツ基本法を成立させました。また、2008年のパラリンピック北京大会ではメダリストへの報奨金制度を実現するなど、障がい者スポーツ選手の支援を拡充してきました。2013年度補正予算案と2014年度本予算案には、2000年に開催が決まった東京オリンピック・パラリンピックに向け、スポーツ関連予算として合計約460億円が盛り込まれています。このうち、パラリンピックの活動拠点に関する調査研究に約2200万円が計上されるなど、選手強化支援策の充実が図られています。
障がい者スポーツとは少し異なるかもしれませんが、「ジェネシスオブエンターテイメント」という「車いすダンス」チームがあります。初めて彼らの演技を見た時、私は素晴らしく輝いているダンサーたちに魅了され感動で胸がいっぱいになりました。代表の坪田建一さんは、お父さんが那智勝浦町、お母さんがすさみ町出身ということもあり、一昨年、和歌山市と新宮市で開催された台風12号による豪雨被災地の復興を願う「和歌山復興コンサート」にも出演されました。「ジェネシスオブエンターテイメント」も、車いすダンスの普及をめざすとともに、ダンスで障がい者に新たな雇用を生もうと頑張っています。
私は文化・芸術・スポーツは、人間の生きる力であり希望だと思っています。それらが生む感動は人生や時代を変える力があると思います。政治に携わる者の一人として、そうした分野で頑張る方々の心に寄り添い、活動の環境を整える取り組みを進めていきたいと思っています。