災害時の業務継続へ 港湾事務所、岬町が協定
南海トラフ巨大地震などの大規模災害発生時、津波などで事務所が被害を受けても海上のがれき回収などの業務を行えるようにするため、国土交通省近畿地方整備局・和歌山港湾事務所(谷島義孝所長)は大阪府岬町と災害協定を締結した。災害事には町の施設を利用して応急的に業務を行う。自治体施設利用による業務継続の確保は同局では初の取り組み。
同事務所は紀伊水道に面し、同巨大地震による揺れや津波浸水により事務所機能を失う可能性があることから、隣接する同町と協定を結び、町の施設を利用することで震災で出た木材や油、ペットボトルなどの海上のごみ回収を行う海洋環境整備業務の継続を図る。
町役場は津波の非浸水域に立地し、一年を通しての利用が可能。また町役場近くの深日(ふけ)港に、海上漂流物を回収する海洋環境整備船「海和歌丸」の寄港・係留が可能なことから施設利用の協力を要請した。昨年6月には同港に試験寄港も行った。
20日には町役場で調印式が行われ、谷島所長と田代堯(たかし)町長が協定書に調印した。
谷島所長(57)は「災害時、業務継続を図ることで広い地域の安心、安全が守れる」と期待を込めた。