沿岸の海南市塩津地区で津波訓練
東日本大震災の教訓を生かそうと、 海南市下津町塩津地区で、 実践的な津波避難訓練が行われた。 自主防災組織 「塩津区防災会」 を中心に住民、 消防団員ら約360人が参加。 避難場所をこれまでの海抜約10㍍の場所から高台に見直し、 トランシーバーや市の防災行政無線を使った通信訓練などを行い、 防災意識を高めた。
9月1日の 「防災の日」 に合わせたことしの県防災総合訓練(県、 紀美野町、 海南市主催) で、 沿岸部である同地区ではモデル地区として実践的な訓練が行われる予定だったが、 台風12号の影響で中止となっていた。
訓練で防災行政無線を使ったサイレンが響くと、 消防団が地区内を見回って防潮扉を閉じた。 住民は新たに避難場所として指定された教徳寺 (海抜15㍍)、 極楽寺 (同23㍍) に一次避難。 塩津小学校に置かれた本部には、 各避難場所からトランシーバーで状況が報告された。 家屋倒壊による避難経路の通行止めや、 けが人救助を想定した訓練も行った。
課題として、 避難経路が細く急な所について 「足腰の弱い人にとっては危なく、 場所によっては手すりが必要」 といった声が上がった。 今回は自宅待機していた要介護や要支援者を災害時にどう助けるのか▽より広範囲に無線を届かせるよう地区無線と市の防災行政無線を連動できないかといった声もあった。
同会では 「あがらの命はあがらで守らなあかん」 とし、 今後は地元の子どもも担架を運ぶなど力仕事を担う補助委員として運営に関われるよう訓練していきたいとしている。
27日には同市の黒江船尾地区でも、 小学生を交えた実践的な津波訓練が予定されている。