反対運動強まる 山口地区産廃計画
付近住民が強く反対している和歌山市山口地区に計画されている安定型産業廃棄物最終処分場建設について、事業主の㈱フォーシーズン・ファクトリー(同市本町九丁目)が行政手続きの第一段階である「生活環境影響調査実施計画書」を市に提出した。今後市が承認すれば、現地調査が行われた後、条例に基づき関係住民への説明会などを経て、施設設置許可申請書が再び市に提出される見込み。
現在の処分場計画では、面積が約10万平方㍍。容量が約230万立方㍍。計画埋め立て年数は22年に設定している。
埋め立てる産廃は、廃プラスチック類▽ゴムくず▽金属くず▽ガラスくず、コンクリートくず▽がれき類――の5品目。設置の目的について同社は、生活環境の保全や公衆衛生の向上及び継続的な経済の発展▽地域雇用を守る▽適正処理の徹底や循環型社会構築への貢献を目指す――などを挙げている。
産廃計画地には、滝畑地区の集落を越えて軽自動車でも入れない山道を30分歩きたどり着く。道沿いには、初夏にホタルが乱舞するきれいな小川「滝畑川」が流れる。また、川の上流には、飲み水にも利用されている地区住民の水がめ「南谷池」が存在する。同池には、和歌山と大阪府阪南の両市民と合同で作った建設反対の横断幕が掲げられていた。計画では、池の上部の谷間部分に遮水シートを設置した上で、産廃を埋め立てる。
滝畑住民激しく反発 同計画には、産廃処分場計画地の下部にある滝畑地区自治会の全18世帯が計画に反対の意思を表明している。
住民らは、阪南市側に流れる滝畑川の水質汚染の懸念の他、和歌山市側の山の斜面がもろく、建設の影響で地滑りが発生する危険性が高まることを主張している。また、現状を広く市民に計画の内容を知ってもらおうと、毎週木曜日に各所で計画廃止を訴えるビラ配布の活動を続けている。
同自治会の栗本敬一郎会長(63)は「地区の貴重な自然財産がいとも簡単につぶされる計画は許せない」と怒りを露わにしている。
事業者のフォーシーズン・ファクトリーは本紙の電話取材に対し「取材は全てお断りしています。担当者も不在です」と回答した。
31日危険箇所学習会 山口地区連合自治会は31日午前9時から、同市上黒谷の障害児福祉施設を出発し、崩落の危険性があるとされる斜面を歩いて調査する学習会を実施する。同会は「地域各所で、建設計画の問題点を一緒に考えましょう」と呼び掛けている。