昨年以上の節電を 県が呼び掛け

 県は7月1日から9月30日まで取り組む夏の節電計画を発表した。関西の電力需給は昨夏よりも厳しくなると見込み、県庁では昨年実績の平成22年度夏比11%減を上回る15%以上削減を目指す。県民にも11%以上の節電協力を呼び掛けている。仁坂吉伸知事は2日の定例会見で、「ことしはかなり危機的状況。心して節電しないといかん」と危機感を示し、熱中症に十分注意しながらできる限りの協力を求めた。

 県によると今夏の電力供給力は、昨夏稼働していた大飯原発3・4号機の停止に伴い前年比236万㌔㍗減。火力発電所のフル稼働により155万㌔㍗、他電力からの融通により101万㌔㍗を補填している。昨夏並みの節電ができて、かろうじて安定供給に最低限必要な予備率3%を確保できるという。

 そこに懸念材料として、火力発電所の計画外停止(昨夏56件)▽猛暑による電力需要の伸び▽景気の上向きに伴う電力の需要増▽他電力のトラブルによる融通分への影響――が考えられるという。

 県庁では15%以上削減を目指し、例年の冷房設定28度の徹底、廊下の照明の約7割消灯などに加え、南館エレベーターの一部運転停止▽トイレのエアータオルなどの停止▽昼間の電気自動車充電器の使用停止――に新たに取り組む。

 また電力需要が特に高まる7月22日~8月29日は「毎日がノー残業デー」として残業に伴う電気使用をカットする。

 家庭に向けては、無理のない範囲でエアコンを消し、扇風機を使う▽冷蔵庫の設定を「強」から「中」に変え、扉の開閉を減らす(食品の傷みに注意)▽テレビを省エネモードに設定▽長時間使わない家電はコンセントからプラグを抜く――などを呼び掛けている。特に午後1~4時の節電が重要だという。

 その他、家庭向け節電メニューについて詳しくは、県環境生活総務課のホームページに掲載。家庭の電力消費抑制へ、家族で国体リハーサル大会の観戦や観光施設などに出掛けてもらうキャンペーンも展開する。