柔道家のジム小嶋さんが講演
和歌山市の姉妹都市、 カナダ・リッチモンド市の姉妹都市協会副会長で、 世界的に有名な柔道家の、 譲 (ゆずる) ジム小嶋さん(73)が17日、 KEG教育センタービル(同市友田町)で 「スティーブストンと日本人の歴史」 をテーマに講演した。 精華学園高等学校和歌山学習センター(同ビル、 角野寛典センター長)主催。 同センターの学生などが耳を傾けた。
小嶋さんは、 15歳で柔道を始め、 アトランタやシドニーのオリンピックで国際柔道連盟の審判長を歴任。 1973年から同協会の副会長を務め、 和歌山市とリッチモンド市の架け橋として交流の促進に尽力している。
小嶋さんは、 自身が住んでいるカナダのスティーブストンで、 日系人がどのように居場所を開拓したか、 苦労話を披露した。
三尾村の男性が明治20年に初めてスティーブストンを訪れてから、 次々と日系人が移住し、 昭和5年には人口の半数が日系人だったと説明。 同地で盛んな漁業に努めたこと、 日本人学校や剣道・柔道の道場を設置したこと、 第二次世界大戦の厳しい局面を乗り越えたことを話し、 「日本人はどんな時も文句を言わなかった。 『絶対に負けない』 というスピリットがあった」 と主張した。 その上で、 最近、 日本で電車に乗った際に、 化粧をしたり、 優先座席に座る若者を見たことに触れ 「昔、 日本のマナーはナンバーワンだった。 マナーは本当に大切なこと。 日本人のスピリットを忘れないで」 と呼び掛けた。