漢学者・中尾靖軒の企画展 紀の川

 紀の川市東国分の歴史民俗資料館で12月14日まで、同市出身の漢学者で、若者の教育に尽力した中尾靖軒(1836~1915)を紹介する企画展「郷土の偉人 中尾靖軒」が開かれている。午前9時から午後4時まで。休館日は毎週月、火曜日と祝日の翌日。

 生涯学習課によると、中尾は18歳で京都へ遊学し、帰郷後は尊皇志士らの指導をしていた森田節斎に学んだ。「奚疑(けいぎ)塾」(私塾)を開き、50~60人の塾生に国学や漢学などの学問を教えていたという。昨年12月に子孫から関係史料の寄贈があり、多くの人に知ってもらおうと、企画展の準備を進めていた。

 会場には私塾で使っていたとみられる漢籍の他、掛け軸や地図、屏風など、史料の一部にあたる約30点を展示している。22日には同資料館研修室で講演会を開催。同市文化財保護委員会の岩鶴敏治前委員長が「漢学者中尾靖軒」と題して講演する。午後1時半から3時半までを予定。申し込みや問い合わせは同課文化財係(℡0736・79・3907)まで。

私塾で使用していたとみられる史料

私塾で使用していたとみられる史料