和歌山カントリー倶楽部が開業50周年
和歌山市梅原の和歌山カントリー倶楽部(北村多惠子理事長)が、11月29日に開業50年を迎えた。東京オリンピック開催の昭和39年に創業。県内で2番目に古い歴史を持つ名門ゴルフ場で、ゴルフというスポーツが日本に浸透していない時代から、県内にその文化を広めてきた。「積み上げてきた歴史を大切に、60年、70年とゴルファーの皆さんに喜んでいただけるよう歩んでいけたら」と新たなスタートを切った。
和歌山と大阪の県境、市街地に面した丘陵地に、ゆるやかな傾斜の18ホールが広がる。コース設計は日本アマ4回優勝、アマの名手・佐藤儀一。多くのゴルフ場は標高が高い山中にあるが、同ゴルフ場は海抜90㍍の低山にあり「ティーグラウンドから、まちの景色を見渡せるゴルフ場は他にはありません」と北村理事長は胸を張る。
言わば箱庭風のゴルフ場。学生相撲で名をはせた創業者の北村弥三郎氏は、植木の一本一本がボールをグリーンまで運ぶのに重要な意味を持つとして、戦略性に富んだ公園風の景観を大切にした。ゴルフダイジェスト社がこのほど出版した「美しい日本のゴルフコース」でも、全国約2400のゴルフ場の中から、368コースの一つに選ばれている。
電磁誘導式カートを県内で初導入した他、コンピューター制御の自動散水システムを全国に先駆けて採用。第1回「県民ゴルフ大会」を企画するなど、画期的で魅力あふれるゴルフ場づくりを進めてきた。
いかにグリーンを良い状態でプレーヤーに提供するか、42年間グリーンキーパーとして勤めてきた三毛俊夫さん(69)の存在も大きい。「芝の表情は毎日違う」と芝生と会話するように長年接し、ゴルフ場を支えている。
こだわりはレストランのメニューにも。創業当初からレシピはそのままに、カレーのルーやソースも一から手作りするなど、本格的な料理を提案している。 ゴルフの魅力は老若男女問わず楽しめ、年齢を重ねてからも始められること。北村理事長は「社交の場として思いやりやマナーが身に付き、仲間と親睦を深められる国民的スポーツ。特に若い方に、もっと気軽にゴルフを楽しんでいただきたいですね」とゴルフ人口増加を願っている。