中央卸売市場を再整備 32年度に供用へ
和歌山市は県と連携し、中央卸売市場(同市西浜)の再整備計画を進めている。老朽化が進んだ施設を建て替えるとともに、重点「道の駅」などの観光機能を持たせ、地域活性化の起爆剤とする計画。市の本年度当初予算に基本計画策定に関する費用約620万円を計上しており、平成32年度の供用開始を目指す。
中央卸売市場は昭和49年の開設から41年が経過し、建物が老朽化。耐震補強も困難なことが平成24年度に判明した。
緊急性が高かった「冷蔵庫棟」のみ、すでに建て替えて昨年9月に供用開始しており、再整備計画では同棟以外の施設を全て建て替える。
本年度に基本計画を策定し、28年度に基本設計・実施設計を行い、29~31年度の3年間で工事を進める予定。工事は建物を一つずつ建設、解体していく「ローリング方式」で行い、工事期間中も営業は続ける。
現在、重点「道の駅」の認定に向けて、国土交通省にこの夏提出する企画書の作成を、市と県が連携して進めている。レストランや物販、外国人対応の免税店などの案が出ているという。
重点「道の駅」は全国35カ所にあり、認定されると国によるPRなどの支援がある。
現在の市場は壁がないため、夏場は気温上昇が課題となっており、新しい施設は低温を維持できる閉鎖型施設にすることも検討する。
坂口昌隆市場長は「より一層、安心安全な生鮮食品を提供できるように市場自体の機能を充実させることはもちろん、地域活性化を図れる施設として整備したい」。現在、年3回ほどのクルーズ船の寄港回数も増やせるよう取り組む必要があるとし、「市の中心部から離れているため、いかに観光客、リピーターを獲得していけるかが課題」と話している。