菓子の神様と文化学ぶ 海南地域活性PJ
海南市の食文化を通して、地域活性化に取り組む「鱧の街・菓子の街海南プロジェクト実行委員会」(委員長=新谷武一・市観光協会長)は25日、「お菓子の神様」を祭る橘本神社(下津町橘本)の前山和範宮司(52)を講師に招いた講習会「私たちの誇り~お菓子の神様と歴史を学ぶ会~」を開き、海南の「菓子」の歴史を見つめた。
実行委はことし4月に同市内の飲食店や菓子業者らで発足。京都や大阪の料亭で「戸坂の鱧」として重宝されたハモと菓子の2つの食文化で活性化を目指そうと、ハモグループ、菓子グループに分かれ、それぞれ商品の開発などを行っている。
菓子グループの第1回目の活動として講習会は開かれ、実行委メンバーや地域住民ら約50人が出席した。同神社は約2000年前にミカンの原種・橘(たちばな)が植樹されたと伝えられることから、「みかんの発祥の地」とされている。
前山宮司は「果物と菓子は一緒の概念だった」と「お菓子の神社」といわれるようになった由来や歴史について説明した他、同神社が昭和40年から開催し、毎年多くの菓子メーカーが参列する菓子祭などを通して見た菓子業界の現状について講話。「お菓子は夢のある食べ物だが、近年は子どもが減ってきている。年配の方にもおいしく食べてもらうように取り組むことが必要になってくる」と話した。
講演後、菓子グループの野田智也さんは「どの世代にも分かりやすい『お菓子』というキーワードで地域を活性化させていきたい」と意気込み、菓子業者同士を互いに発展させること、子育て支援につなげること、地元への誇りを持ってもらうことなど、活動方針を話した。