日本初「イナゴソース」2種類発売
日本で初めて昆虫を発酵させて作った調味料「イナゴソース」が発売された。作ったのは地域資源の活用などを目指すグループ「いなか伝承社」(紀の川市粉河、田中寛人代表)。醤油(しょうゆ)風に使える「醤油麹」と塩だれ風の「米麹」の2種類で、同団体ホームページ(http://www.inakadss.org/)で販売している。
湯浅町の伝統的な醤油の醸造技術と、タンパク源として大豆の代わりに「虫」を活用。ツチイナゴをベースに10カ月間、発酵・熟成させた。
開発プロジェクトは平成25年10月にスタート。北里大学や農業生物資源研究所から試作用の昆虫の提供を受け、ツチイナゴ、コバネイナゴ、カイコ、トノサマバッタ、ジャンボミールワームの5種を米麹、醤油麹で発酵させた。醸造は、昆虫をそのままの形で漬け込み、ろ過して固形分と液体分に分け、澄んだ液体を瓶詰めしている。
原材料はイナゴと麹の他、塩、酒精(アルコール)を使用。醤油麹はカツオやシイタケなどのだしと相性が良く、だしとかんきつ果汁と混ぜてポン酢としても味わえる。
米麹はだしとかんきつ果汁にオリーブオイルを加えてドレッシングとしても使える。色が付いていないため、下味付けや食材の下処理にも向いている。使っているイナゴは国産の天然物で、どちらも生臭さはない。
田中代表は「少しでも醤油や日本の発酵技術の可能性を感じてもらえれば」と話している。
販売は醤油麹と米麹の2種類各1本のセット(1本の容量100㍉㍑)で、税込み5400円。