ハンコの魅力感じて 和歌山県立博物館で初の企画展

 「ハンコ」 に注目した初めての企画展 「ハンコって何?」 が来年1月22日まで、和歌山市吹上の県立博物館で開かれている。 ハンコの意味や歴史を知ってもらい、その魅力を感じてもらおうと、 ハンコが押された書や絵、 古文書、 陶磁器と、 実際に用いられたハンコを計64件、 92点展示している。

 見どころは、 45年ぶりに公開された紀州を代表する文人画家・桑山玉洲のハンコの数々と、 位が上がる度に変わる紀伊藩10代藩主・徳川治宝のハンコなど。 17日には、 同館の安永拓世学芸員が解説するミュージアムトークが行われた。

 文字の部分全てにハンコを押した古文書もあり、 安永学芸員は 「古い時代のハンコは公文書の改変を防ぐためでした」と説明。 「署名代わりに庶民が使うようになったのは江戸時代になってからです」 と話した。

 自分の地位 「従一位」 を強調した治宝の大きなハンコ、 梅花形の中に 「小」 と彫って小梅と読ませた川合小梅のかわいらしいハンコ、 ハンコを集めて押した本や巻物もあり、 安永学芸員が 「絵などの持ち主がハンコを押すだけでなく、 見た人が絵にハンコを押すこともありました」 と話すと、 参加者から驚きの声が上がった。

 同市今福の女性 (65) は 「日常何げなく使っているものに歴史や格式があり面白かった」。 同市西ノ庄の茶畑重明さん (63) は、 「桑山玉洲のハンコに圧倒されました。 残っていたのは感激。 見応えがあります」 と話していた。

 ミュージアムトークは来年1月7、 15、 21日にも行われる。 午後1時半から。 問い合わせは同館 (℡073・436・8670)。