有功東小6年生の映画『いと』10日上映
和歌山市立有功東小学校(同市六十谷、貴志雅代校長)6年風組の24人は、小学生の友情や和歌山の美しい自然などを描いた自主制作映画『いと』を完成させた。クラスの力を結集し、脚本、撮影など全て自分たちで手掛けた約1時間の力作。10日午後1時半から同校体育館で上映会があり、来場を呼び掛けている。
『いと』のストーリーは、小学6年生のある児童と先生の心が入れ替わり、それまでは仲が悪かったクラスが良い方向へと変わっていく中、転校生が入ってきて、さらに物語が進むというもの。
総合的な学習の時間で何に取り組むか、一学期に児童がプレゼンテーションし、支持を集めた映画制作がスタート。夏休みに児童一人ひとりがストーリーを考え、原作が決まると、カット割りなどを記した絵コンテを作り、昨年10月下旬に撮影が始まった。
ロケ地は学校近くの山や街など。演技指導は、和歌山市を中心に活動する「劇団ZERO」のメンバーらが協力した。
初めての撮影に、カメラを回した池浦音羽君(12)は「撮影場所が遠い時は、カメラの三脚が重くて、運ぶのが大変だった」、音声を担当した外囿萌子さん(12)は「カメラの位置に気を付けながらマイクを近づけるのが大変で、雑音が入らないようにするのに緊張した」と苦労も多かったが、撮影はことし2月末、無事に終わった。
監督の上野山諒太君(12)はクラスメートの演技について「自分で練習したり、グループで練習したり準備をしてくれていて、撮影は順調だった」と話す。
児童は主題歌と音楽作りにも挑戦。主題歌は、クラスで歌詞に使いたい言葉を出し合い、音楽担当の宮所沙緒里教諭が曲をつけた。
仕上げの編集は、音声と映像を合わせることや、撮影したシーンを順番通りに組み合わせる作業が大変だったが、ついに映画は完成し、「やり遂げた達成感があった。映画を見てくれる人には、思いやりの心や協力することの大切さを感じてほしい」と上野山君。さらに「もし将来、映画監督になれるなら、和歌山をもっと目立たせる映画を撮りたい」と意気込んでいた。
8日に校内向けのお披露目があり、上映が終わると拍手が鳴り響いた。
10日の上映は入場無料。問い合わせは同校(℡073・462・1322)。