裏作推進へ井戸の設置補助 和歌山市事業
水稲の裏作推進のため、和歌山市は用水路の水が少なくなる10月以降の対策として、新事業「打ち抜き井戸設置費用支援」を行う。新年度当初予算案に200万円を計上している。米の価格が低迷する中、井戸の普及による裏作を推進し、JAなどと連携して「もうかる農業」を目指す。予算案は23日の市議会で採決される予定。
市によると、井戸1カ所で30㌃(3000平方㍍)分の水が確保できる。井戸は、10㍍程度の掘削(工事費10万円程度)を想定し、半額を上限に補助し、40カ所程度の新設を見込む。生産拡大を期待する野菜として、通常のレタスの2倍程度の値段が付き、シーザーサラダなどで使われる「ロメインレタス」などを挙げている。
14日に行われた市議会経済文教委員会では、ロメインレタスの生産について、「レタスは高冷地で栽培されているが、市内でも生産できるのか」と委員から質問が飛んだが、市当局は「市内でもレタスの栽培は可能」と答弁した。
ブルーベリーは廃止 農業振興の本気問う
新年度当初予算案には、井戸設置支援の他、高糖度トマト生産者の支援(78万円)、種ショウガ生産者の支援(45万円)など、新たな取り組みが盛り込まれている。一方で、平成15年から実施されてきたブルーベリー苗購入補助事業(本年度予算9万円)は、本年度の利用が1戸(3万円)のみで、低迷を理由に廃止される。
同委員会では、これらの現状に対し委員から、「(ブルーベリーを)ブランド化するとして四季の郷に試験場まで造ったのに止めてしまう。事業がことごとく成功していない」「和歌山市の農政をどうするかという所まで来ているのではないか」などの厳しい意見があり、事業の効果向上に向けた市当局の本気を問う場面もあった。