災害に備える覚悟を強く 熊本地震で求められる対策

去る4月14日の夜、熊本県を震源とする最大震度7の強い地震が発生しました。そしてその後、地震は収まるどころか断層帯を伝って震源を大分県にも広げおびただしい数の余震が続いております。お亡くなりになった方々のご冥福をお祈りするとともに被災された皆さま、そしてその地域に心よりお見舞いを申し上げます。

私たち自由民主党は15日の早朝より「対策本部・国土強靭化総合調査会合同会議」を立ち上げ迅速な対応に当たっています。また自民党和歌山県連としても18日早朝にJR和歌山駅前にて義援金の募金活動を行い多くの皆さまからご協力、義援金を頂戴いたしました。早朝の募金活動でしたが通勤途中の小学生や中高生からも優しい気持ちをいただきました。また一度通り過ぎたのちに引き返して募金箱に義援金を入れていただいた方もいらっしゃいました。多くの優しい気持ちにふれ政治家としての使命と責任をあらためて感じました。これらの義援金とともに支援物資を和歌山からトラックにて21日に被災地域にお届けしました。

この後も現地の状況を見守りながら引き続き対応していかなければなりません。このような災害が発生したとき政治が動かなければなりません。今起こっている事態をどのように収束し一日も早く日常を取り戻してもらうか。傷んだ建物や社会資本を復旧していかなければなりません。強いリーダーシップを発揮した対応が求められます。

今回の九州での地震は断層帯を伝って拡大していきましたが、皆さまもテレビや新聞等の報道でその先に四国を通って和泉山脈に通じる中央構造線断層帯の存在を再確認されたことかと思います。和歌山でも地震が発生したらどうしようかと心配になったのは正直なところだと思います。文献によりますと今から約400年前の1596年9月に大分、愛媛、京都と数日間のうちにM7~7・8クラスの連動した地震が発生したとあります。いわゆる「慶長大地震」の発生です。このような事実の存在を知れば知るほど、なおさらのこと和歌山の地震に対して身構える準備をしなければなりません。また南海トラフを震源とした東海、東南海、南海の三連動地震や南海トラフ巨大地震の発生も今回の九州の地震によってその発生時期が近づいたとも言われています。これらの地震は先の東日本大震災で大きな被害を与えた大津波の発生を伴うものとされています。最も被害を甚大にする津波は沿岸部の長い和歌山にとっては深刻な災害です。今回の九州地方での地震を契機としてさらに災害に備える気運を高めなければなりません。

昨年末の12月、国連総会において「世界津波の日」が制定されました。これは二階俊博自民党総務会長のご熱心なお取り組みによるものです。11月5日と定められたこの日は1854年に「安政の大地震」が発生した日です。広川町での故事、この地震発生時のまたその後の濱口梧陵翁や地域の人たちの行いを顕彰するものです。このことを世界の人々に伝え地震や津波をはじめとした自然災害に皆が関心を持ち、対策を講じるように日本が和歌山が中心になって発信するということです。

また一昨年、政府は自民党の国土強靭化総合調査会の災害に対する熱心な取り組みと並行して「国土強靭化基本計画」を策定しました。それを受けて昨年には県、そして県下の市町村で国土強靭化地域計画が策定されています。特に和歌山市においては県都、そして県内での最大人口都市としてオール和歌山県の視点に立ち和歌山市の役割が重要との視点でこの地域計画が作られています。例えば紀南地域で災害が発生した場合、人員的にも設備的にも充実している和歌山市より消防局が救助等の対応にあたるといったことも盛り込まれています。

災害は来ない方がいいと誰もが考えることですが、そう祈りつつも私たちは地震、津波をはじめとする災害に備える覚悟を今回の地震の発生によって一段と強くしなければならなくなりました。また政治の方は「国土強靭化」の考えのもとに災害対策にしっかりと取り組んでまいります。