「うちどく」四箇郷北小に文科大臣表彰

和歌山市立四箇郷北小学校(同市有本、貴志年秀校長)が、平成28年度「子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣表彰を受けた。家庭で読書する「うちどく」に23年度から継続的に取り組んでいることなどが評価された。同校が文科大臣表彰を受けるのは昨年度の「科学技術分野の創意工夫育成功労学校賞」に続き2年連続。

子どもの読書活動推進のために優れた実践活動を行っている学校、図書館、個人・団体をたたえようと、文部科学省が平成14年度から行っている表彰。本年度は全国の小中高校・特別支援学校合わせて141校、48の図書館、59の個人・団体が表彰された。

同校のうちどくは、読んだ本の感想を書き、保護者にコメントをもらう「うちどくノート」を積極的に活用。10冊、50冊と本を読み続けた児童に認定書を渡し、読書意欲を高めている。

地域の読み聞かせサークルや市民図書館の移動車など外部組織とも連携。それを楽しみにしている児童も多いという。

学年ごとにも、本の帯やリーフレット作成など、読書に関わるさまざまな活動に取り組んでおり、読書に興味のなかった児童も本を読むようになってきた。

結果、全国学力テストでの児童質問紙における一日の読書時間は、うちどくを開始した23年度と比べて「読まない」と答えた児童が半分以下になった。

6年生の阪部圭穂さん(11)は「一日2冊くらい読んでいる。いろんなことの秘密が学べる本とかスポーツに関わる本が好き」、田中大智くん(11)は「厚い本もよく読んでいる。本を読んでいると、その中に自分も一緒にいる感じがする」と読書の面白さを話した。

貴志校長は「できるだけたくさんの良い本を子どもに読ませたいと始めた活動だが、続けてきたことで児童にも読書の習慣が身に付いてきているのだと思う。継続が受賞につながりうれしい」と喜んでいる。

本年度、県内からは同校の他、橋本市立西部小学校、県立田辺高校が受賞している。

賞状を手に6年2組の児童たち

賞状を手に6年2組の児童たち