連夜の踊り熱く ぶんだら&おどるんや

「第48回紀州おどり『ぶんだら節』」と「おどるんや~第13回紀州よさこい祭り~」が6日、和歌山市のけやき大通りや和歌山城西の丸広場などで開かれ、同日開催で真夏の城下町を盛り上げる2大イベントは約13万人でにぎわった。「おどるんや」は7日も行われ、中心市街地は踊り子と来場者の熱気に包まれた。

「ぶんだら節」には59連、約6000人が参加し、六番丁交差点から和歌山城西の丸広場までの約700㍍の区間を踊り、練り歩いた。

今回は徳川吉宗の8代将軍就任300年記念企画を用意。開会セレモニーには市出身で市観光発信人を務めるモデルの本谷紗己さん、タレントの大河内美紗さんが登場し、市観光大使のお笑い芸人・辻本茂雄さんが吉本新喜劇で演じる「茂造じいさん」の着ぐるみも参加した。

第1部はアップテンポの「ニューバージョンぶんだら21」にのせて14連が、第2部は「正調ぶんだら節」に合わせて45連が踊った。

第2部は、恒例となっている黒潮躍虎太鼓の演奏と雑賀衆の火縄銃演武が開幕の合図。紀州が生んだ三大忍術伝書の一つ「正忍記」の名が背中に記された陣羽織に兜(かぶと)姿の尾花正啓市長が、雑賀衆に鉄砲の発射を告げる「放て」の声を掛け、采配を振るった。

今回は、優れた演技を見せた連に贈られる賞に「徳川吉宗公将軍就任300年記念賞」が加わり、吉宗にちなんだ工夫を凝らした踊りも見どころとなった。

「おどるんや」は100チーム、約3500人の踊り子が参加した。

このうち「おどるんや2016キッズ連」は、午後4時ごろ、市役所前で鳴子を手に元気いっぱいの踊りを披露し、沿道の観客らを魅了した。

「キッズ連」は約10年前、元小学校教諭の池浦年江さん(58)が、当時和佐小学校で担任していたクラスの児童らに、より生き生きと学校生活を送ってほしいと呼び掛けて結成。クラスの取り組みから学年、学校、土曜日の子どもセンター事業へと発展した。

不登校児童が登校できるようになったり、おとなしい児童が意欲的になったりと、よさこいへの参加を通じて変化した子どもの様子を池浦さんは「よさこいマジック」と呼ぶ。「子どもに自尊感情が生まれることが最も大切」と力を込め「皆さんの支えで続けてこられたキッズ連で、これからもたくさんの子どもの心を元気にしたい」と話していた。

「正調ぶんだら節」を踊る参加者

「正調ぶんだら節」を踊る参加者