友好の懸け橋に 伏虎中に韓国中学生が来校
和歌山市立伏虎中学校(同市七番丁、林素秀校長)に15日、韓国の大邱(テグ)江北中学校(ファン・ミョンシク校長)の生徒8人が訪問し、日韓の交流を深めた。両校はJAL財団による国際交流プログラム「JALスカラシップ」の一環で昨年から交流を開始。同財団では日韓国交正常化から50年を迎えた昨年度から、日韓の交流事業を強化している。
今回は朝鮮から捕虜として日本に渡り、後に、紀州藩の儒学者になった李梅渓(りばいけい)ゆかりの場所である和歌山が選ばれた。
歓迎セレモニーでは伏虎中吹奏楽部の演奏や大邱江北中のテコンドーの演武が披露された。両校の校長が記念品を交換し、林校長は「和歌山は李梅渓が残した教えもある、韓国とはつながりのある都市。若者同士の交流が日韓関係をより良くしてくれたら」、ファン校長は「学生にはこの経験をきっかけに夢を大きく広げて世界で活躍してもらいたい」と両校の交流に期待を寄せた。
その後、韓国の生徒は授業に参加。音楽の授業では全員でリズムゲームを楽しみ、英語の授業では単語しりとりをして交流を深めた。授業の後は日韓の交流団が正門の前にモクレンを植樹した。
伏虎中2年の西村寿初さん(13)は「昨年韓国で会って、1年ぶりに再会できたのでうれしい。交流の中で文化の違いを見つけられたら」、大邱江北中2年のチェ・イェジンさん(13)は「和歌山はぬくもりのあるきれいな街だと思った。日本に限らずいろいろな国と交流して広い世界に友達をつくりたい」と話した。
交流団は市役所に尾花正啓市長を訪問し、高野山などの名所を見学した後、18日に帰国した。