「かわいい」で地方を元気に 正能さん講演

和歌山青年会議所(和歌山JC、有田比呂志理事長)は9月度例会を和歌山市の和歌山商工会議所で開き、㈱ハピキラファクトリー代表の正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(25)が「『かわいい』が地方を元気にする~地方が元気になる3つの方法~」と題して講演した。

同社は地方の魅力ある商材を女性向けにプロデュースし、販路拡大を目指す事業を手掛けており、正能さんが大学4年生時に創業した。

正能さんは、大学3年生の時に街づくりインターンシップで訪れた長野県小布施町での取り組みを紹介。当時の町は、活性化の方策として道路や建物の建設ばかりに着目し、「街にカフェがなくつまらなかった」。

率直な感想を打ち明けた当時の町長から「あなたが面白いと思うことをやってください」と依頼され、同町の銘菓「栗鹿ノ子」を、バレンタイン用の贈り物として販売するためにプロデュース。正能さんの最初のプロジェクトとなった。

菓名を「かのこっくり」に、箱を四角からハート型に変え、若い女性が手に取りやすいものに変更したところ、東京都内の複合商業施設「渋谷パルコ」などで、10日間で2000個を完売した。

正能さんは地方には確実に「ストーリー性や品質の確かなものがある」と強調。「パッケージでその魅力が『見える』ようにし、伝え方や売り方を考えれば、どんなものでも売れる」と話した。

また、女子大生が「おいしい、かわいい」と感じる切り口で地方の商材を「売れるモノ」にするプロジェクトを担う「日本かわいいプロデューサー」の養成について話し、学生には有意義な経験となり、地方には販路拡大による中小企業の活性化をもたらす「両者がハッピーなプロジェクトだ」と自信を語った。

有田理事長は「和歌山の紀州材やフルーツなどの地域資源を有効に活用するため、きょうの講演をしっかりと生かしたい」と話していた。

地方の商材の可能性を語る正能さん

地方の商材の可能性を語る正能さん