南海沿線ガイドの歴史 みさき公園で展示
南海電鉄沿線の観光名所を紹介した戦前のパンフレットや写真などを展示している「南海鉄道旅客案内展」が、大阪府岬町のみさき公園(真貝征志郎園長)で開かれている。
同園内の鉄道体験施設「わくわく電車らんど」の開業2周年記念企画。和歌山大学教養の森センターの菅原真弓准教授が監修した。
南海電鉄は、日本最初の純民間資本によって明治18年に開業した「阪堺鉄道」(難波―大和川間)を前身とし、国内有数の歴史を持つ。
今回の展示は2期制で展示品を入れ替える。11月1日までの第1期「秋の南海沿線」では、明治36年に文筆家・宇田川文海が沿線の観光名所を絵入りで紹介したガイドブック『南海鉄道旅客案内』や、沿線でマツタケが採れる地域を紹介したチラシなどが現物または拡大複製で展示されている。
同電鉄は近隣を走る中小鉄道と合併を重ねて現在に至っており、その過程では鉄道会社同士が沿線の観光名所をチラシなどで激しく宣伝し合うケースもあった。展示では、当時東洋一と称された堺水族館をPRする広告なども見ることができる。
同電鉄総務部の新階寛仁課長は「テレビやインターネットがない時代に作られたパンフレットは貴重。高野山や加太、友ヶ島が登場するなど和歌山の人が親しめる内容になっているので、ぜひ足を運んでほしい」と来場を呼び掛けている。
問い合わせは、みさき公園(℡072・492・1005)。