下落率6年連続で縮小 県内の地価公示

国土交通省は21日、1月1日現在の地価を公示し、県内は180地点の価格が発表された。1平方㍍当たりの平均価格は、前年に比べ住宅地が1・8%、商業地が1・4%下がり、いずれも平成4年から26年連続の下落。県全体の平均変動率は前年より0・2㌽小さい1・6%の下落で、下落率は6年連続で縮小した。継続調査地点173のうち27地点は価格が上昇し、9地点で横ばいだった。

【住宅地】1平方㍍当たりの平均価格は4万4500円。4万3800円だった前年から上昇したが、継続地点の比較では前年比1・8%の下落となった。価格上昇地点は和歌山市6、田辺市2、白浜町、上富田町各1の計10地点。横ばいは和歌山市3、岩出市、有田川町各1の計5地点。

最も価格が高かったのは、新設地点のマンション用地「和歌山市美園町2丁目80番」の17万円。前年まで7年連続で1位だった「和歌山市芝ノ丁21番」は1・4%上昇の15万円で2位となった。

駅や道路への交通アクセスが充実した地域で価格が上昇している他、紀南地方では、津波被害に対する懸念から高台の人気が高まり、価格の上昇がみられる。

【商業地】平均価格は8万5900円で、継続地点の比較では前年比1・4%の下落。和歌山市は0・3%、岩出市は0・1%上昇し、2年連続の価格上昇となった。価格上昇地点は和歌山市16、岩出市1の計17地点で、前年より2地点減少した。

最も価格が高かったのは「和歌山市友田町5丁目50番外」の43万8000円で、18年連続1位。前年から価格に変動はなかった。

和歌山市では、中心部や幹線道路沿いなど集客力の高い地域で、岩出市では国道バイパス沿いの店舗が集積している地域で価格の上昇がみられる。

【工業地】平均価格は2万4800円で前年の2万1900円から上昇したが、継続地点の比較では前年比2・3%の下落となった。

都道府県別で見た全国順位(上昇率の高い順)は住宅地が44位(前年43位)、商業地は34位(前年27位)。近畿2府4県の中では住宅地・商業地ともに前年と同じ6位だった。

県地域政策課は「県全体の下落率は縮小が続いており、評価している。京奈和自動車道や第二阪和国道の開通など、期待が持てる材料もあり、今後の動きに注目していきたい」と話している。

住宅地で県内最高価格となった「和歌山市美園町2丁目80番」付近

住宅地で県内最高価格となった「和歌山市美園町2丁目80番」付近