県内66年ぶり 商議所専務・事務局長会議
第71回全国商工会議所専務理事・事務局長会議が18、19日、和歌山市友田町のホテルグランヴィア和歌山で開かれ、全国314団体から408人が出席した。県内開催は66年ぶりで、出席者は全国の商議所の現状や課題を共有し、地方創生をはじめ、課題の克服に向けた取り組みについて活発な意見交換を行った。
今回の全体テーマは「地域の『未来を拓く』商工会議所の機能強化について」。18日の開会あいさつで和歌山商議所の野田寛芳専務理事は「前回の県開催は昭和26年であり、全国が一丸となって戦後復興に力を合わせていた。昨今の課題である地域振興や人口減少に対し、商議所が柱となり、各地域に寄与できるよう、2日間の活発な議論を新しい取り組みにつなげたい」と述べた。
日本商工会議所の石田徹専務理事は、全体テーマについて基調講演。日本の現状を「アベノミクスなどの効果によりデフレ脱却まであと一歩だが、人口減少や地域の疲弊、東京一極集中という構造的な課題はさらに深刻化している」と指摘。人手不足、働き方改革、IT・IoT活用による中小企業の生産性向上などのさまざまな課題に対応する必要性を強調し、「働く人の幸せと企業業績の向上を目指すことが中小企業の使命である」と力を込めた。
厚生労働省職員による、働き方改革の方向性と中小企業支援に関する講演に続き、参加者は商議所の規模別に5グループに分かれ、産官学連携や農商工連携などの事例発表と意見交換を行った。
2日目は総括が行われた他、和歌山商議所名誉顧問を務める㈱島精機製作所の島正博社長が「製造業から創造業へ~愛と創造と氣で挑む~」をテーマに記念講演した。
閉会後、出席者の一部は、和歌山商議所が設定した「和歌山城散策コース」「海南市黒江散策コース」「和歌山電鐵乗車体験コース」などの体験型見学会に参加し、和歌山の豊かな歴史や文化、観光資源などへの理解を深めた。