本紙創刊25年 「地域深耕」思い新たに

わかやま新報はきょう7月1日付で創刊25周年を迎えた。県都・和歌山市唯一の日刊地方紙として歩みを始めて以来、四半世紀にわたり紀北地域の「今」と、人やまちの魅力を伝え続けてきた。

本紙は、大正初期に田辺町(現田辺市)に誕生した「牟婁(むろう)新聞」以来、県内の地方新聞2紙の号数を引き継いでいる。牟婁新聞は第1万2202号まで継続し、昭和62年6月5日、その号数を引き継いだ「紀州新報」が旧田辺市で創刊され、第1万2203号~1万3788号まで発行した。

平成4年7月1日、紀州新報の号数を引き継いで「和歌山新報」(14年7月に「わかやま新報」に改称)が創刊。和歌山市内の日刊地方紙としては「和歌山新聞」の廃刊以来、20年ぶりの復活となった。以後、複数回にわたる紙面や編集システムの刷新、本社移転などを経ながら、郷土の多くの人々に支えられ、和歌山市、海南市、紀の川市、岩出市、紀美野町の5市町を地盤に、読者に紙面を届けている。

日刊地方紙として蓄積してきた取材、新聞製作のノウハウを生かした新事業・サービスの展開にも力を入れ、平成20年11月にはプライベート新聞「マイしんぶん」を、24年12月からはホームページ製作事業を開始。26年10月からはAR(拡張現実)技術を使い、紙面の写真にスマートフォンをかざすことで動画などを見ることができるアプリ「いごくで新報」をスタートし、好評を得ている。

本紙の創刊当初はバブル経済の余韻が色濃く残っており、第1号(通算1万3789号)の1面トップは、「紀北に海上未来都市」との見出しで、大阪湾に海中回廊を整備する構想を報じた。

25年がたち、時代の様相は大きく変化したが、創刊号の1面コラムは「地域の時代」の到来を論じており、本紙が現在掲げる「地域深耕」へと通じている。

創刊から四半世紀の節目を機に、さらに地域に愛され、必要とされる紙面づくりに力を注ぐべく、読者の皆さまのご指導を賜りたい。

創刊号(手前右)から四半世紀、変化を続けてきた紙面

創刊号(手前右)から四半世紀、変化を続けてきた紙面