家康紀行(23)おんな城主直虎の舞台 観光客をもてなす「赤備え」

前号では井伊直虎や徳川家康をはじめ、浜松ゆかりの偉人を紹介する施設「浜松出世の館」を取り上げた。今週は、井伊直虎が治めていた浜松市北部に舞台を移す。大河ドラマの放送に合わせ「大河ドラマ館」が開設され、大勢の人々が訪れる今話題の地を紹介したい。

井伊直虎は遠江井伊谷(とおとうみのくに・いいのや)の領主で、徳川四天皇の一人で彦根藩の初代藩主・井伊直政の養母としても知られる。幼少の直政の後見人として養育しながら、女城主として井伊家を断絶の危機から救った。直政を家康の家臣にするまでの物語はこれからのドラマで描かれるであろう。

天竜浜名湖鉄道「気賀(きが)駅」は井伊谷への玄関口で、駅に程近い、浜松市みをつくし文化センターホールに「おんな城主直虎大河ドラマ館」が開設されている。気賀駅では観光客をもてなそうと、大河ドラマの放送に合わせ井伊家の家紋や「井」の字が入った赤い幕を駅舎に施している。同鉄道は浜名湖の北岸を走るローカル線で、掛川駅と新所原駅を結ぶ。1両編成のディーゼルカーがホームに着くと、大河ドラマ館や井伊家の菩提寺である龍潭寺(りょうたんじ)へと向かう路線バスへ乗り換える観光客でにぎわっていた。

土曜・日曜を中心に、市のマスコットキャラクターである「家康くん」と「直虎ちゃん」が大河ドラマ館周辺を散策することも。大河ドラマ館は来年1月14日まで開設。関西からのアクセスは、浜松駅から遠州鉄道と天竜浜名湖鉄道を乗り継ぐか、浜松駅バスターミナルから路線バス(約60分)でいずれも気賀駅下車。浜名湖に近い、豊かでのどかな井伊谷を訪れてみては。

(次田尚弘/浜松市)