少年の立ち直り支援 県警学生サポーター
非行少年の立ち直り支援などの活動に警察職員と共に取り組んでいる学生ボランティア、県警察学生サポーター「ブロッサムリーダーズ(青春の指導者)」の平成29年度委嘱式が2日、和歌山市の県警本部県庁別館で開かれ、新たに和歌山大学と近畿大学生物理工学部の8人の学生が委嘱された。
学生サポーターは平成22年7月に発足し、活動は8年目を迎えた。今回の委嘱を含めて現在は45人が活動している。
活動内容は、非行少年らの居場所づくりとして、農漁業などの体験研修、勉学の支援、レクリエーションなどを行っている他、非行防止の街頭啓発、清掃ボランティアなどにも取り組む。28年度は計10回の活動を実施し、本年度はこれまでに、立ち直り支援と街頭啓発を2回ずつ実施している。
委嘱式では、県警の寺園勝人生活安全部長が学生に委嘱状を手渡し、県警察少年補導員連絡協議会の半田德夫会長はあいさつで、新しい学生サポーターの活躍に期待を寄せた。
委嘱式の後、研修会が開かれ、出納延計少年課長があいさつし、元学生サポーターの警察官が体験を発表。非行少年と共に熊野古道の道普請やスポーツ、陶芸体験などに取り組んだ経験を語り、「自分となんら変わりのない人間として少年たちに接してほしい。年齢が近い学生だからこそできることがある」などと呼び掛けた。
さらに、同学部の小田義隆准教授が、少年たちを取り巻く状況や非行について講演した。
県警によると、非行歴のある少年が再び非行をする再犯率は、県内で27年の39・9%から28年は37・5%に減少したが、全国平均の37・1%を上回っている現状がある。
学生サポーターによる立ち直り支援には28年、延べ25人の少年が参加し、再犯者は一人もいない。