「巻絹」「口真似」上演 日前宮薪能26日

 和歌山市秋月の日前宮(紀俊武宮司)が主催する和歌山の夏の風物詩、第42回「日前宮『薪能』」が26日午後6時半から、同境内で催される。ことしは、茂山宗彦さんが大蔵流狂言「口真似」を披露。分林道治さんが、熊野本宮を舞台とした観世流能楽「巻絹」を演じ、同市の能楽師・小林慶三さんに指導を受ける、同市出身の近畿大学工業高等専門学校2年生、宮楠昂之さんも都ノ男役で出演する。

 この他、仕舞もあり、分林道隆さんが「経正(つねまさ)」、小林さんが「山姥(やまうば)」を披露する。

 「口真似」のあらすじは、よい酒を入手した主人が、太郎冠者に言いつけて、誰か酒の相手を招待するように言う。太郎冠者は酒乱で知られた人を連れてくる。困った主人は、よい加減にあしらって戻そうと、太郎冠者に何事も自分の言うよう、するようにしなさいといい含めておいて、客人を迎えるが・・・というもの。

 「巻絹」は、帝から命が下り、熊野三社に諸国から巻絹が奉納される。都から巻絹を運ぶ男は、寄り道をして音無天神に参拝し、冬梅の見事さを句に詠む。男が到着の遅れを臣下にとがめられると巫女が現れ、男が道中に和歌を手向けたことを説明。不審がる臣下に、男が和歌の上の句を、巫女が下の句を詠むことで、男の疑いを晴らす。さらに和歌の徳について説き、祝詞を上げ、神楽を舞う。

 入場無料だが入場券が必要。一人1枚で先着600人。希望者は、社務所まで取りに行くか、封書(82円切手貼付の返信用封筒を同封)で日前宮(〒640―8322和歌山市秋月365)へ申し込む。また当日は駐車場がないため、電車やバスでの来場を呼び掛けている。

 夏祭も同日開催。午前9時半からは、茅の輪くぐり神事も行われる。問い合わせは同宮(℡073・471・3730)。

能楽「巻絹」より

能楽「巻絹」より