桐蔭など4校全国大会へ 缶サット甲子園

高校生が自作した空き缶サイズの模擬人工衛星「缶サット」を打ち上げ、計測の技術力などを競う「缶サット甲子園」の地方大会(実行委員会主催、本紙など後援)が9日、和歌山市加太のコスモパーク加太をメーン会場に開かれ、1位の県立桐蔭高校など上位4チームが全国大会への出場権を手にした。同校は10回連続の全国出場となる。

2位は県立向陽、3位は県立海南、4位は開智だった。全国大会開催はことしで10周年。地方大会は8回目となる。県内8校を含め、大阪や兵庫などから計13校が出場した。

競技は4人1チームで実施された。缶サットは気象や気圧、速度などを測定するさまざまなセンサーを搭載。ロケットで打ち上げ、上空約80㍍で切り離されてから、地面に到達するまでの間に映像やデータを収集する。大会では、勢いよく打ち上がり、予定通りパラシュートが開くと、生徒たちから大きな歓声が上がった。

後半はイオンモール和歌山店に会場を移し、プレゼンテーション審査も。それぞれが設定したミッション(任務)をこなす技術力や独創性、確実性などが審査された。

1位になった桐蔭高校は、得られた数値から缶サットがどのような動きをしたか、コンピューター上で3Dでの視覚化を試みた。2年生の缶サット班班長の吉村風汰さんは「課題や問題も多かったので、小さな機体が空の上で頑張ってくれたんだと思うと涙があふれた」と感動の様子。2年生の科学部部長、田中久温さんは「全国大会10回連続出場を果たせて良かったという思いと、出るからには優勝したいという思いが強い。技術力だけでなく、審査員に伝える力を強化させて挑みたい」と意気込んでいた。

全国大会は8月27日から29日まで、千葉県で開かれる。

10回連続出場を決めた桐蔭高校チーム

10回連続出場を決めた桐蔭高校チーム