避難民の医療支援 日赤バングラデシュ派遣

 ミャンマーのイスラム系少数民族「ロヒンギャ」が暴力を逃れ、隣国バングラデシュに相次いで避難民が流入している問題で、医療支援のため、和歌山県和歌山市、日赤和歌山医療センターは感染症内科部副部長兼国際感染症事業部副部長の古宮伸洋医師(43)の派遣を決めた。

 同センターによると、ミャンマー西部の少数民族の武装勢力と治安部隊の闘争が続く影響で、3週間で約40万人がバングラデシュに避難。基本的な医療が行き届かず、劣悪な環境で暮らす難民の健康状態の悪化が懸念されているという。

 22日、同センターで行われた出発式で、平岡眞寛院長は「健康に気を付けて、現地で困っている方々を支援すべく頑張ってきてほしい」と激励した。

 古宮医師はこれまで、ギリシャやソマリアでの感染症対策など海外で豊富な活動経験があり「衛生環境が悪い中、コレラなどの感染症のリスクも高い。専門性を生かして貢献してこられれば」と決意。「今回は特別『体力のある人』という要請もあり、日々のトライアスロンのトレーニングも役立つと思う」と意欲を見せ、この日のうちに同国へ向かった。

 期間は11月1日まで。派遣先は、南部コックスバザールに設置された難民キャンプを予定し、巡回診療や感染症の予防活動を行う。

出発式で決意を語る古宮医師㊨

出発式で決意を語る古宮医師㊨