異常観測で臨時情報 南海トラフ巨大地震
気象庁は、甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震の新たな防災対応として、南海トラフ沿いで異常現象が観測された場合に「南海トラフ地震関連情報」を発信し、地域住民に迅速な対応を呼び掛ける取り組みを1日に開始した。
これに合わせ、10月31日に和歌山県の和歌山地方気象台で情報の内容や発表基準などの説明が行われた。
情報には臨時と定例の二つがあり、臨時の情報は、異常な現象が観測され、平常時と比べて巨大地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価した場合などに発表される。
異常な現象については、南海トラフの東側で大地震が発生▽南海トラフ巨大地震の震源域でマグニチュード7クラスの地震が発生▽東海地震の判定基準とされるようなプレート境界面でのすべりが発生――などのケースを想定している。
異常な現象が発生した際には専門家の検討会を開き、おおむね30分後に調査開始を知らせる臨時情報を発表、最短で2時間後に評価結果を発表する。
同気象台の山田尚幸台長は「確度の高い予測は困難とされたが、過去の事例や統計的な数値で評価はできる。最新の知見で防災に役立つ情報を発信し、県民の皆さんには身の回りでできる防災対策の見直しをお願いしたい」と話している。