能と狂言を体験 加茂川小で文化庁事業
和歌山県海南市立加茂川小学校(下津町小松原、塩﨑清校長)で1日、能と狂言が公演され、児童と加茂川幼稚園の園児らがはやしや謡を体験して日本の伝統芸能への理解を深めた。
文化庁の「文化芸術による子どもの育成事業」の一環で、能楽の普及や後継者育成を行う一般財団法人能楽堂嘉祥閣が公演。柿を盗み食いした山伏が柿の木の持ち主にからかわれる狂言「柿山伏」と僧侶の夢に現れた源義経の亡霊が屋島の戦いと修羅道の戦いを語る能「屋島」を披露した。
公演の間に行われたはやしの体験では、小鼓の音に合わせて児童も鼓を抱えるポーズで手をたたいて演奏に参加。「やーっ」と声を合わせて手を打ち鳴らした。児童が実際に大鼓、小鼓、能管(笛)も体験したが、音がうまく出せなかったり、鼓を打って手が痛くなったりして能楽師の仕事の大変さを体感した。
柿山伏では持ち主にからかわれてさまざまな動物のまねをするコミカルな山伏の様子に児童が大笑い。屋島では面をかぶった武将姿の義経が刀と扇を振りながら舞う姿に見入っていた。
能管を体験した6年生の松本和夏菜さん(12)は「柿山伏は国語の授業で習ったけど、それよりも面白かった。能管の音を出すのは難しくて、ずっと吹いている能楽師の人はすごいと思った」と伝統芸能を楽しんだ様子だった。