完全版の「餅搗踊」披露 和歌祭プレイベント
ことし390周年を迎える紀州東照宮(和歌山市和歌浦西)の例大祭 「和歌祭」 を盛り上げようと、市や市伝統文化活性化実行委員会などは15日、市民会館で 「390年祭プレイベント」 を開いた。 舞台演舞ではおなじみの百面などが登場。 「餅搗踊(もちつきおどり)」 では、約40年ぶりに復活した唄とお囃子(はやし)に合わせ、子どもたちが踊りを披露した。
本年度 「文化遺産を活かした観光振興・地域活性化事業」 の助成を受けて開催。 今回のようなプレイベントは初めてだという。 10年後の400周年に向けて、 毎年さまざまなイベントを開いていくという。
餅搗踊は、 他の地域では見られない同祭特有のもので、 団扇太鼓や餅花踊など4つの子どもの踊りが、 臼の周りを回る踊り。 元々、 唄とお囃子、 小鼓、 笛、 締太鼓があったが、 伝承者がいなくなり、 四十数年前からは締太鼓と掛け声のみで踊っていた。 しかし、 昨年音源が発見され、 有志が復活に向けて準備していた。 踊りを披露した市立広瀬小学校3年生の谷なつみちゃん(9)は 「すごくどきどきしたけど、 うまくできた。 本祭でも踊りたい」 と笑顔。 同委員会の松尾美和さん(42)は 「(和歌祭は) 和歌浦地区では有名だが、 市民にあまり知られていない。 これを機会に身近に感じてもらえたらうれしい」 と話していた。
同祭は、 元和8年(1622)に徳川家康公を祭る同宮の例祭として開始。 みこし渡御や練り物行列などがあり、 明治以降も続けられた。 昭和13年から22年までの10年間は途絶えたが、 23年に市商工祭のメーンイベントとして復活。 59年に財政難を理由に終了したが、 翌年、 「和歌祭保存会」 が発足。 「和歌祭実行委員会」 を組織し、 平成2年に復活した。