寧波と経済交流活発に 県産品商談など進む
和歌山県内企業と県行政が連携し、中国沿海部の寧波市との経済交流を推進している。同市には県産品の展示販売場があり、今後は中国全土へ県産品の魅力をPRしようと、11月には同市で開かれた食品の国際見本市に県内事業者が出展。さらに同市江北区の行政関係者が来県し、県内企業の視察や県職員との意見交換が行われた。
寧波市は中国南東部に位置する港湾都市。県内の民間事業者で構成する県輸出事業協同組合(山本均悟代表理事)がことし5月、同市保税区内の輸入食品館に県産品の展示販売場をオープンさせ、大手商社などとの取引が難しい県内中小企業の商品の販路開拓を進めている。
11月10~13日に食品の国際見本市「2017中国食品博覧会」が開かれ、同組合加盟事業者が、しょうゆやフルーツの加工品などを出展。中国各地から訪れた企業や行政の関係者を前にマグロの解体ショーなどを行い、寧波市の事業者と商談会も行った。県食品流通課によると、日本から出展している事業者は珍しく、中国側の関心を集めたという。現地では市商務委員会の関係者とも交流した。
23、24日には寧波市江北区人民政府から、ナンバー2に当たる張飛宇常務副区長を団長とする幹部職員ら10人が来県。23日に湯浅醤油㈲(湯浅町)を視察し、24日は県庁で県の観光、食品関係部局の職員らと意見交換した。
張団長は「お互い港があり、文化の交流も進んでいる。観光や食品に加え、農村振興や汚水排出技術などについても学びたい」とあいさつ。県側は観光について、世界遺産に加えシーカヤックやフルーツピッキングなどの体験型観光メニューも充実していることを紹介し「現在は年間約50万人の外国人宿泊客を将来的に170万人まで増やしたい」と目標を示した上で「ぜひ寧波市からも多くの方に来ていただきたい」と呼び掛けた。
山本代表理事も意見交換に参加。寧波市にも和歌山と共通するタチウオなどの新鮮な海産物があることを紹介し、「お互いにさらに情報交換を進めていきたい」と話した。
訪問団からは、民泊に対する法的規制の程度や県内から輸出を希望する品目などについて質問があり、県に対して「ぜひ寧波に足を運び、現地の旅行会社と接触してもらいたい」と今後の経済交流に意欲を見せた。