若冲の美を西陣織で再現 和歌山市民会館で

 江戸時代中期に活躍した画家・伊藤若冲の作品を西陣織で再現した掛け軸の展覧会が20日から24日まで、和歌山県の和歌山市民会館(伝法橋南ノ丁)で開かれる。

 西陣織の関係者でつくる実行委員会が主催。着物の帯にとどまらない西陣織の魅力を広めようと、若冲の生誕300年と西陣織誕生550年を記念し、全国各地で巡回展を開いている。

 展示する掛け軸は、京都市の西陣美術織工房が約3年をかけ、若冲の代表作「釈迦三尊像」と「動植綵絵(さいえ)」を西陣織で再現。「動植綵絵」は30幅あり、さまざまな鳥や植物、魚介などを生き生きと表現している。一つの作品につき縦糸約2700本と横糸約1万5000本で織り、髪の毛の半分ほどの細さの絹糸を十数色使って繊細に仕上げた。

 会場には拡大鏡も用意し、精巧な職人技を確認できる。同工房の蔦田文男会長は「若冲の立体の美を、匠の技が光る西陣織で立体的に織り上げました。ぜひ会場でご覧ください」と呼び掛けている。

 無料。午前10時から午後5時(初日は正午から、最終日は4時)まで。

「老松白鳳図」を手に蔦田会長

「老松白鳳図」を手に蔦田会長