ジビエ食べて命に感謝 中之島小で調理実習
野生鳥獣の肉を使ったジビエ料理を通して、動物による農作物被害や山の恵みについて学んでもらおうと、和歌山県は本年度から小中学校で県内で捕れたイノシシやシカの肉「わかやまジビエ」に関する出前授業を行っている。今回は県内9校でジビエ食材を使った調理実習と、皮革を使ったクラフト作りを実施。12日は和歌山市立中之島小学校(馬場秀典校長)で6年生41人が調理実習に取り組んだ。
児童は県畜産課からイノシシやシカの増加状況、柵作りや狩猟などの対策の取り組みについて話を聞いた後、山の恵みと命に感謝して調理実習をスタート。同市片岡町のフランス料理店「JOY味村」のオーナーシェフ味村正弘さんら県調理師会の料理人が指導し、児童はイノシシとシカのソーセージを使ったポトフとリンゴのサラダを作った。
初めは味村さんの実演を見学。リンゴの皮をむく素早い手さばきには「すごい」と感嘆の声が漏れた。児童はポトフの具材を切ったり、肉の臭いを消すため香草を束ねたブーケガルニを作ったり、アドバイスを受けながら調理を進め、教室には食欲をそそるコンソメの匂いが広がった。
神崎有里江さん(12)は「最初は動物を狩るのはかわいそうだと思ったけど、農家を守るためなら仕方ないと思う。無駄にせず食べるのならいいかなと思った」、阪野妃菜さん(12)は「普通のソーセージと違って外がパリパリしておいしかった。ジビエ料理はおいしくできたと思う」と話した。