飯野さん浪曲で読み語り 読書活動ネット
読書活動の推進や図書館の活性化を図る「きのくに子供の読書活動ネットワークフォーラム」が21日、和歌山県和歌山市北出島の県勤労福祉会館プラザホープで開かれ、図書館職員や読書ボランティアら85人が講演や実践発表を通して学んだ。
ことしで4回目。文部科学省司書教諭講習講師の中山美由紀さんによる実践発表と、『ねぎぼうずのあさたろう』シリーズ、『ハのハの小天狗』などの絵本や、雑誌「ユリイカ」の表紙や挿絵を描く絵本作家の飯野和好さんによる講演が行われた。
飯野さんは、あさたろうと同じく三度笠をかぶった旅装束姿で登場。絵を描き始めた頃を振り返り、独特の絵は初め、挿絵にしても絵本にしても賛否があったと話した。
絵本のストーリーは子どもの頃、学校からの帰り道にしていた妄想が基になっていると紹介。山道で一人二役のチャンバラごっこや探偵ごっこ、家で手伝った炭焼きの経験を膨らませてストーリーを作ったが、初めは「自分の妄想がもとで大丈夫なのか」とも思ったという。
絵本の読み語りも実演。『ねぎぼうずのあさたろう』をカンカラ三味線を弾き、浪曲のように歌いながら読んだ。あさたろうが戦うシーンでは飯野さんもチャンバラを披露。力強くも軽快な読み語りに会場から拍手が起こった。飯野さんは「本は読む人が心引かれないと読めない。今の子どもはたくさんの絵本があって幸せだと思う」と話した。