医療支援を報告 ヨルダンで活動の平田さん
シリア内戦の難民が流入している中東ヨルダンへ、保健衛生指導で派遣されていた日赤和歌山医療センター(和歌山県和歌山市小松原通)国際医療救援部所属の看護師、平田こずえさん(45)が帰国。1月31日に同センターで報告会を開き「地域住民の健康維持を図るためのトレーナーが不足している。病院は受け入れが困難な状況で医療サービスが行き届いておらず、今後も継続した支援が必要」と話した。
国連によると、ヨルダンには約65万人が避難。ヨルダン保健省は、あまりの数の多さに対応しきれず、初めは無料で提供していた医療サービスを2014年に打ち切ったという。
平田さんはヨルダン赤新月社(赤十字に相当)の支援要請を受け、昨年4月下旬から約8カ月間、首都アンマンを中心に都市部の6県で活動。避難民やヨルダン国民を対象に、地域住民が自分たちで病気を予防し健康を維持増進できるよう、主にボランティアの養成に取り組んだ。
家庭訪問を中心に、生活習慣病の予防や子どもたちへの手洗い指導など、保健衛生指導や予防教育活動を実施。116人のボランティアを養成し、家庭訪問で約3万1000人に保健指導した。
薬物乱用や車での避難者流入による交通事故の増加、早婚の女性の健康教育などニーズに合わせた対策が喫緊だとし「内戦状態が間もなく8年と長期化し、支援団体が減っている。他機関との連携を強化し、より良いサービスを受けられるようにするのが課題」と話した。