空き家、交通など議論 和市議会で代表質問

 和歌山市議会2月定例会は5日に代表質問が行われた。5会派の議員が尾花正啓市長の政治姿勢や市政への取り組みについて質問し、倒壊などの危険性がある「特定空家」の認定や、路線バスの運行情報をリアルタイムに確認できるバスロケーションシステムの必要性などについて議論した。

 最大会派・至政クラブの遠藤富士雄議員は「周辺住民に危険をおよぼす可能性がある『特定空家等』の候補が140件ある中、8件しか認定されていないのはなぜか」と質問。尾花市長は「該当する可能性がある空き家は141件に上る。残りの133件については早急に現地確認を行い、建物の不良度、周囲への悪影響度や危険の切迫性を確認し、2018年度中に認定を行い、空き家解消に取り組みたい」と答弁した。

 誠和クラブの山本忠相議員は「バスロケーションシステムに予算を費やすなら、既存のバス路線の存続を補強する方が有用ではないか」と質問し、尾花市長は「リアルタイムの運行情報をスマートフォンで取得できることにより、利用者のストレスや不安感を軽減でき、事業者が運行データを分析することで、ダイヤの見直しなど定時制の向上にも有効である」とシステム導入は必要との認識を示し、バス路線の支援を維持し、利便性を高めてバスへの利用転換を促進することが重要だとした。

 公明党議員団の中尾友紀議員は、待機児童の解消、介護保険料の抑制などについて考えを質問。尾花市長は待機児童について、18年度には民間施設6園で98人、19年度は民間3園で108人、20年度は公立認定こども園2園で163人の定員増を見込んでおり、受け皿の整備を進めていると答弁。介護保険料については、18~20年度は従来と同額に据え置くとし、健康体操やウォーキングなどの運動習慣の定着、特定健康診査の受診率向上などで健康寿命の促進を図る考えを示した。

 共産党議員団の南畑幸代議員は、有功・直川地区のメガソーラー建設計画について質問し、尾花市長は「事業者が申請書類をそろえるために市に関係する書類の審査を求めている状況」と現状を説明。「市の行政財産である里道の公用廃止申請は関係自治会の同意書等が整っておらず、対処されない場合は建設に同意できないと考えている」と述べた。

 日本維新の会の山野麻衣子議員は「和歌山市健康ウォーク」と観光案内看板を連動したアプリの開発を提案。尾花市長はガイドブックの活用を検討し、現在提供している案内板QRコードをウォーキングコース上にも設けることを考えたいとした。

答弁する尾花市長

答弁する尾花市長