災害時に海路を確保 2港湾事務所が訓練
災害時の迅速な航路確保に向け、近畿地方整備局和歌山港湾事務所(中藤智徳所長)と四国地方整備局小松島港湾・空港整備事務所(小田幸伸所長)は7日、航路をふさぐ漂流物の回収など海上での合同訓練を実施した。
整備局間の連携を図るため昨年から行っている訓練。台風で陸から大量のゴミや流木などの浮遊物が海に流出し、和歌山市と淡路島の間に位置する紀淡(きたん)海峡の航海が困難な状況を想定して実施した。
和歌山所からは「海和歌丸」、小松島所からは「みずき」の2隻の海洋環境整備船にそれぞれ8人の所員が乗り込み、海路の確保に当たった。
現場は淡路島の南約3㌔の沖合。四国局のヘリコプターが上空から付近の状況を無線で2隻に連絡し、船から浮遊物の回収や海上に流出した油を放水で拡散する作業を進めた。船上では、所員が多関節クレーンを使って5㍍近い流木を海上へ引き揚げると、チェーンソーによる手作業で切断してコンテナへ回収する手際の良さが見られた。
和歌山所の相馬昇副所長(54)は訓練を振り返り「ヘリや船同士の連絡、気象状況の判断、現場での対応も的確にできました。今後もこのような訓練を重ね、被災時の迅速な対応につなげたい」と話していた。