初戦の投手攻略に自信 智弁が選抜直前練習
23日に阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開幕する第90回記念選抜高校野球大会に出場する智弁和歌山は大会前最後の週末、練習試合や実戦形式の打撃練習などで調整した。大会3日目第2試合(25日予定)で富山商(富山)と対戦することが決まっており、文元洸成主将(3年)は「相手投手は直球が武器の右投手でうちが好きなタイプ。結構打てると思う」と話し、初戦突破に自信を見せている。
チームは17日に和歌山市冬野の同校で約6時間の全体練習を行い、18日は日高中津と練習試合を実施。初回に文元主将の2点本塁打で先制したが、先発の平田龍輝選手(3年)が3回裏に4点を失い、逆転を許した。打線は7回表に追い付いたが、その裏に2点を奪われ5―6で敗れた。
富山商の沢田龍太投手(3年)は140㌔前後の直球とスライダー、フォークなどの変化球を制球良く投げ込む。動画で沢田投手の投球を確認したという文元主将は智弁打線の速球への対応力に自信を示す一方で、「落ちる変化球に手を出さないことが重要になってくる」と話し、攻略の鍵は変化球の見極めにあると見ている。17日の打撃練習では、力強い直球が光る本格派右腕の湯浅公貴選手(2年)らを相手に打ち込んだ。選手たちは実戦さながらの緊張感が漂う中、内野手の頭上を越える鋭い当たりを連発。凡退した打者には、髙嶋仁監督が「体が前に突っ込んでいる。もっと球を呼び込んで」「飛ばそうと思い過ぎて自分のスイングを見失うな」などのアドバイスを送った。
ノックでは、「無死一・二塁」「一死二塁」などの具体的な場面を想定。速い打球を内野手が弾く場面があり、ノッカーの古宮克人部長(29)が「甲子園では強い当たりが飛ぶ。試合で2回目はないぞ」と大声で叱咤(しった)した。古宮部長は外野手から捕手への送球について「大観衆で味方の声が聞こえないこともある。内野手は送球が良くないと思ったら自分の判断で送球をカットした方が良い」と助言を送った。
捕手の東妻純平選手(2年)は富山商で警戒する打者に4番の石橋航太選手(3年)を挙げ、「抑えるために低めに球を集めて長打を防ぐ配球を心掛けたい」と話した。文元主将は「相手も決まり、これまでより現実感を持って甲子園のことを考えられるようになった。第2試合はコンディションも整えやすい。もう一段状態を上げて、試合に臨みたい」と意気込んでいた。
チームは18日夕方に宿舎入りしており、20日には甲子園練習に臨む。