女性の力を社会に 男女の賃金格差解消訴え
依然として大きい女性と男性の賃金格差の実態を社会に訴える国際的な運動「イコール・ペイ・デイ(EPD)キャンペーン」の街頭啓発が6日、和歌山県和歌山市のJR和歌山駅前で行われた。BPW和歌山クラブ(小原智津会長)の会員ら約10人が参加し、女性がより力を発揮できる社会に向け、不平等の解消を図る重要性を訴えた。
EPDとは、1月1日に男女が働き始め、男性が1年間で得る賃金と同額を女性が手にする翌年の日のこと。2018年の日本のEPDは昨年より1日改善の4月6日だが、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、17年の日本の一般労働者の賃金は女性が男性の73・35%で、依然として男性の4分の3以下にとどまっている。さらに、OECD(経済協力開発機構)諸国の比較では、日本は韓国、エストニアに次いで3番目に格差が大きい。
EPDキャンペーンは、働く女性の国際組織BPWが進める運動で、国内はNPO法人日本BPW連合会が主催。BPW和歌山クラブの会員らは、「赤字」や「レッドカード」の意味を込めた運動のテーマカラーである赤のブルゾンを着て、通勤・通学の駅利用者らに啓発チラシを配るなどしてアピールした。
同クラブによると、県内の男女の賃金格差は全国平均よりも小さいが、男性の賃金水準が低い背景もあり、男性の家事参画時間が全国最下位であるなど、さまざまな課題があるという。
小原会長は「女性が働きたいと思っても、仕事も家事もしなければならないという状況があり、職場の環境改善だけでは力を出して働くことができません。社会的支援の充実や家庭での男女共同参画について、女性と男性が一緒に考え、取り組んでいけるよう訴えていきたい」と話していた。