歩いて有権者に直接訴え 海南市議選中盤
海南市議選(22日投開票)は、定数2人超の厳しい選挙戦だが、市民の低調ムードなどから票の動きが見えづらく、先行きは不透明となっている。投票率の低下を危惧する声も多い中、有権者と直接顔を合わせて関心を引きつけようと、選挙カーを降りて歩いて訴える候補者の姿も各地で見られる。
目立った争点はないものの、災害や人口減少対策、中心市街地の再生など市の課題は山積。
各候補の政策はさまざま。無所属候補からは、財政健全化や子育て支援の拡充、行政サービスの改革などの訴えが聞こえる。現職・新人各2人が立候補している共産党は、乗り合いタクシーの運行や学校給食の無料化などを強調。現職2人の公明党は福祉行政のさらなる拡充や文化芸術の振興に重点を置く。現・新各1人の維新は議員定数と給料を削減する「身を切る改革」と、人口流入を促すまちづくりを柱に掲げる。
選挙カーで各地を巡り名前を連呼する従来の方法は、高齢者や留守宅の多い地域では有権者の耳に届きにくいと判断する候補もあり、歩いての街宣活動に切り替え、有権者と対話することで支持の拡大を図っている。
また、新人議員を増やし議会の「新陳代謝」を望む声も聞かれ、減少が予想される総得票数の中からいかに支持を得るか、危機感を感じている候補もいる。
幡川地区に事務所を構える現職候補は「耳あたりの良い政策を訴えるのではなく、市民の声を直接聞きたい」と、自動車が通れない路地まで歩いて入り「身近な要望を市政に届けるのが民主主義の第一義」と話す。井田に事務所を構える新人候補は、知名度を高めようとチラシのポスティングに力を入れるとともに「1000人に会い、握手をすることを目標にしている」と意気込む。
16日に期日前投票がスタート。同日現在の投票者数は585人(男265人、女320人)。