粉河高が日本代表で発表 国際生徒ウェブ会議
世界7カ国・地域の高校生がインターネットを介してさまざまな国際問題を議論する「国際生徒ウェブ会議」が9、10日の2日間にわたって開かれ、和歌山県立粉河高校(紀の川市粉河、中谷力校長)の生徒が日本代表として2日目に発表し、化石燃料に代わるエネルギー問題などについてプレゼンテーションを行った。
昨年8月に県内で開かれた「アジア・オセアニアフォーラム」をきっかけに各国の高校同士の国際交流が生まれ、韓国のクムホハイスクールが開催を呼び掛けた。会議には粉河高の他、中国、インドネシア、フィリピン、台湾、韓国、バヌアツの高校生が参加し、それぞれの学校をネットで結び、生徒たちはパソコンの画面を通して英語で発表。平和や食の安全、環境などの問題をテーマに議論し、粉河高からは、同フォーラムに参加した生徒を中心に、3年生2人、2年生4人、1年生2人の計8人が参加した。
代替エネルギーについての粉河高の発表では、火力発電に必要な石油や天然ガスなどの資源があと何年もつか分からないとし、風力や太陽光、地熱などの再生可能エネルギーの普及を進めるべきと主張。再生可能エネルギーによる発電比率が高いドイツの状況を紹介し、普及を進めるために「政府は設備を設置した国民に補助金を出すべきだ」と訴えた。
同校の発表を聴いた海外の高校生からは、風力発電の音で風車の周辺住民に健康被害が出る恐れが指摘され、「風車をどこに造るのか」と質問。粉河高の生徒は「周辺に人が住んでいない山の上に設置する」などと答えた。
粉河高は捕鯨問題についての発表も行い、太地町でフィールドワークを行った成果、クジラ漁師や町教育長へのインタビューの内容などを紹介した。
代替エネルギーについて発表した3年生の桂原彰君(18)は、パソコンの画面を通したやり取りで緊張が和らいだと振り返り、「英語での発表はすっきり発音することができ、やればできるんだという思いが強くなりました」と話していた。