城、友ヶ島の残念な現状 多くの目で確かめて環境整備を

通常国会の会期もあと一カ月ほどを残すところとなりました。私は所属しております国土交通委員会、法務委員会を中心に活動を続けております。去る5月18日には国土交通委員会にて「所有不明者土地」について質問をいたしました。人口減少社会を迎え地元和歌山市においても空家や空地の放置が問題となってきております。今後、このような問題に対応する第一歩として現在、所有不明者土地の利用の円滑化に向けた法律の審議が進んでおります。質疑の模様は衆議院のホームページで映像をご覧いただけますのでぜひ、よろしくお願いいたします。http://www.shugiintv.go.jp/index.php
さて早いもので桜が咲きそして大型連休が過ぎ初夏を思わせる毎日が続いております。私はこの大型連休に3泊3日で二階幹事長にお供してトルコのイスタンブールを訪ねてまいりました。「エルトゥールル号の記憶 日本とトルコ友好の原点」という行事に参加し皆さまの歓待を受けました。中でもエルトゥールル号の船員のご遺族の皆さんやイランイラク戦争で勇敢にも邦人を運んでくださったトルコ航空の当時のクルーの皆さんとも交流を深めることができました。トルコでの「WAKAYAMA」の認知度の高さを改めて感じることになりました。またわずかな時間でしたがイスタンブール市内の観光拠点を久しぶりに「観光客」の視点で視察、見学しその素晴らしさに感激いたしました。
帰国後、改めて和歌山市の観光拠点を「観光客」の視点で見直してみようと思い和歌山城と友ヶ島を訪ねました。和歌山城はご存じのとおり本年で戦後の再建から60年が経過します。先般、和歌山市において耐震診断が実施され今後の在り方が改めて議論されていくことになると思われます。今回、訪ねて感じましたことは建て替え議論の前にやるべきことがあるのではないかということです。天井は永年の経年劣化で雨漏りの跡が酷く、所によってはクロスが捲れている箇所も散見されました。また展示ケースも痛みがひどくせっかく歴史的価値のあるものを展示しているのにその価値が台無しになっているような有様です。この際、多くの市民の皆さんにこの状況を見ていただきたいと思います。普段、和歌山城のお話をしても「子どもの頃に行ったきりで長いこと天守閣には登ったことがない」という方が多いのに驚きます。「和歌山市の観光資源は?」と尋ねられると「和歌山城」とお答えになる場合が多いのにこれでは無責任です。他所から来られた観光客の皆さんにお勧めするのなら環境を整えてお迎えしなければなりません。また友ヶ島も最近人気のスポットで連絡船の乗客も年々増えているとのことですが残念ながら桟橋は腐食がひどくトイレの状況もとても観光地と胸を張れるような状況ではありませんでした。また観光スポットになっている旧軍のレンガ造りの遺構も暗くてゴミや壊れた箇所が放置されたままとなっていました。観光の話をするとよく「リピーター」という言葉をお聞きになると思います。「リピーター」を獲得することは観光にとってとても重要なことですが、そのためには施設の魅力づくりが大切です。いくらPRをしてお客さんを呼び込んでも施設が期待に反するものであっては逆効果です。「あそこには二度と行ってはいけない」と逆PRをされてしまうのがオチです。改めてお願いしたいことは多くの皆さんの眼で和歌山城や友ヶ島の現状を確かめていただき「これじゃイカン。ちゃんとしょうらよ」という声を上げていただきたいと思います。故郷への誇りを私たち自身で築き多くの観光客、そしてリピーターに訪れてもらえる和歌山にしていかなければなりません。昨年は和歌の浦一帯が日本遺産に認定されました。和歌山市の魅力をますます高め市民、県民一丸となって取り組んでいこうではありませんか。私も微力ではありますがしっかりがんばります。