和市9地区で濁り水 堆積物巻上げ原因か
和歌山市南部の秋葉山配水池水系で28日夕方から濁り水が発生しており、市企業局は29日に記者会見を開き、流入弁の誤操作により配水池底部の堆積物を巻き上げたことが原因と発表した。
影響が出ているのは高松、宮前、三田、今福、安原、雑賀、雑賀崎、和歌浦、名草の9地区、約3万5000世帯に及び、地区内の小学校7校では29日の給食を中止。健康被害は出ていないという。
同局は28日午後6時10分に同市塩屋の住民から「水道水が濁っている」と問い合わせを受け、9時ごろに透析治療を行う病院で受水槽を点検。市ホームページや広報車で濁りの発生を周知した。11時から濁水の排水作業を始め、29日午前6時ごろに配水池で水質基準を満たした状態となった。現在も50人体制で排水作業と市民への対応を進めており、同局は、体への影響はないとしつつも、地区により水質状況は異なるため大量摂取は控えてほしいとしている。
濁り水の原因は、28日午前10時に加納浄水場から遠隔操作で秋葉山配水池の流入弁を開いた際に通常より多く送水する誤操作があり、配水池の底にあったサビや塗装などの堆積物が巻き上げられたこととみている。操作は運転を委託している㈱ウォーターエージェンシー(本社=東京都新宿区)和歌山営業所が行っており、人為的なミスとみている。
各地区では市と大阪、奈良、県内市町村から給水車が駆け付けており、県立医科大学付属病院をはじめ透析治療を行う病院などで給水作業を実施中。同局は29日中に排水作業を終え、復旧させたいとしている。