災害時に空撮 海南市がドローン企業と協定

 災害時の被災状況を空から早期に把握し、円滑な対応に役立てるため、和歌山県海南市は1日、ドローン(無人航空機)関連事業を手掛ける㈱未来図(和歌山市西高松、藤戸輝洋社長)と「無人航空機による災害応急活動に関する協定書」を締結した。同様の協定は県内では和歌山市、岩出市に次いで3例目。

 協定に基づき、災害が発生した場合、同社は市の協力要請に応じて静止画や動画の空撮、3次元モデル化や縦横断面図を作成する画像解析などを行い、被災状況の迅速な把握や分析に有効な情報を提供する。

 調印式は市役所内の会議室で行われ、神出政巳市長は「南海トラフ地震の発生時には広範囲の被害が予想される。ドローンの活用は被害調査がしやすく、迅速な復旧活動への期待が広がり心強い」と感謝。藤戸社長(66)は「災害時の情報収集に有効なドローンを、海南市でもご活用いただけたら」と話した。

 調印後、同社は標準的なドローンの機体「DJIファントムシリーズ」を庁舎周辺で飛行させ、空撮映像を会議室で上映。災害時もリアルタイムで画像の提供ができ、操縦者とも通話ができることや、撮影した画像の3次元解析など、提供可能な情報をデモンストレーションで示し、神出市長や尾﨑正幸危機管理課長らは熱心に見入っていた。

 同社は、赤外線カメラや自動航行機能などを搭載した各種ドローンを所有しており、災害の規模や発生場所などの状況に応じて使用するとしている。

ドローンを前に協定書を手にする神出市長㊧と藤戸社長

ドローンを前に協定書を手にする神出市長㊧と藤戸社長