最新テーマを議論 和大で県内初の地理学会
公益社団法人日本地理学会(松原宏理事長)の秋季学術大会が22日から24日まで、和歌山県和歌山市栄谷の和歌山大学で開かれ、研究者や大学院生らが最新の研究や地理教育について学び合った。
学術大会は地理学の研究教育の発展などを目的に、毎年春は東京近郊、秋は地方で開催。和歌山では初開催となった。
会期中には大学教員らによる研究発表やポスター発表、全国の高校生によるポスターセッションを実施。22日に行われた地理教育公開講座では「高校新設科目『地理探究』と観光教育」をテーマに、3人の大学教員がそれぞれ発表した。
筑波大学の井田仁康教授は地理探究に交通・通信、観光を絡めて発表。シルクロードを例に挙げ、当時の交通と現代の交通の比較、観光の魅力、観光地としての課題などから、解決の方向性を模索するのは学習として可能だと説明。地理的な見方、考え方を働かせ既存の知識を活用し、新しい知識や概念を獲得するフォーマルな学習を通して、その延長上にさらなる学習効果が期待できるとした。
論理的で科学的な地理学習が求められる一方で、「主観的で人生を豊かにする旅の醍醐味を知るきっかけづくりを求めてもいい」と言及。地理探究を通して「主体性、対話的な学びというアクティブラーニングがしやすくなる」と話した。