医療支援など連携確認 県が津波災害実践訓練
南海トラフ地震などの大規模災害に備え迅速な初動対応力などの強化を図るため、和歌山県は14日、2018年度津波災害対応実践訓練を和歌山市と田辺市以南の各地で行い、警察や消防、自衛隊、医療、通信会社など約45機関が連携して救助や避難、通信などの連携を確認した。
訓練は同日早朝に県南方沖でマグニチュード9・1の地震が発生し、県内で震度5強~7の非常に強い揺れを観測したとの想定。統制室連絡調整訓練や情報収集・伝達訓練、SCU(広域搬送拠点臨時医療施設)の開設・運営訓練、DMAT(災害派遣医療チーム)・日赤救護班活動訓練、漂流者捜索・救助訓練など9種類の訓練が同時進行で行われ、ヘリコプター21機、輸送機1機、護衛艦「ひゅうが」など船舶7隻も参加した。
和歌山市加太の県消防学校では、県内7医療機関の医師や看護師など約20人が、被災地への医療支援の活動拠点となるSCUの開設と運営に当たり、各地からのDMATや自衛隊などの部隊の受け入れ体制の確立、被災地から搬送された救助者の救護、DMATの各地への派遣と部隊の活動支援などに取り組んだ。
DMAT活動訓練では、南紀白浜空港から同校まで陸上自衛隊のヘリを使って患者を搬送。医師や看護師が協力しながら患者の状態を慎重に確認し、処置を行った。県立医科大学付属病院からのドクターヘリによる搬送や、倒壊家屋などの現場に陸自ヘリで血液製剤などの支援物資を運ぶ緊急物資輸送訓練もあり、緊張感が漂う中、参加機関との連絡、連携が進められた。
紀南の各地では住民参加による避難や避難所運営の訓練、道路や橋梁の復旧訓練なども行われた。
県医務課地域医療班の岡本雅樹主任は「普段からの災害対策が大事になる。県民の方にも防災意識を高めていただき、備えてほしい」と呼び掛けていた。