京奈和関空道の実現を 武部元農水相講演

和歌山県紀の川市は14日、京奈和自動車道紀の川インターチェンジ(IC)と阪和自動車道上之郷ICを結ぶ自動車専用道路の構想を考える「京奈和関空連絡道路の集い」を粉河ふるさとセンター大ホールで開き、自民党幹事長や農林水産大臣を務めた武部勤さんが講演し、連絡道路の整備が地域の観光振興や生活圏の拡大につながると訴えた。

市道路河川課は、京奈和関空連絡道路が完成した場合、紀の川ICと関空が約15分で結ばれると見ており、県内5市5町、大阪府4市3町、奈良県5市で構成する建設促進期成同盟会を組織し、国土交通大臣や大阪府、県などに対して20回以上の要望活動を行ってきた。

武部さんは、国境を越えて移動する人が増えている状況にふれ「世界は大交流時代に入っている。日本に来る世界の人を迎え入れる準備をしなければいけない」と強調。地元の北海道で道路整備が生活の利便性向上や災害時の物流の維持などに大きな役割を果たしていることを挙げ、「京奈和関空連絡道路が完成すれば、大阪南部と和歌山、奈良が一つの生活文化圏になる。高野山や法隆寺が近くにあり、道路の整備は外国人観光客のさらなる誘致につながる」と話した。

地元の農業や物流業界の関係者は、連絡道路構想に寄せる期待を発表。紀の里農業協同組合(JA紀の里)の岡田芳和直売課長は「輸送時間が短縮され、地域の新鮮な農産物を早く届けられる」と話し、㈲大原運送(同市貴志川町)の大原有加取締役は「和歌山の経済が停滞している背景には他府県への移動に時間がかかることもあるのではないか。連絡道路が完成すれば、他府県の人から和歌山は近いというイメージを持ってもらえると思う」と訴えた。

連絡道路の集いは2016年から毎年開かれており、今回が3回目。仁坂吉伸知事や県関係の国会議員、自治体首長や地方議員らの他、企業関係者や地域の区長ら約700人が参加し、会場は満席となった。

講演する武部さん

講演する武部さん