功績たたえ秋の褒章 県関係は13人1団体に
2018年秋の褒章が3日に発令される。和歌山県関係の受章者は60~79歳の13人と1団体。今回を含めた県内の受章者総数は女性115人、団体3を含む1065(黄綬481、藍綬573、緑綬5、紫綬6)となる。5日と14日に県庁や各省庁で伝達が行われる。
県関係の受章者は県から上申した7人と、中央省庁で選考された6人、1団体。受章者のうち、業務に精励し国民の模範となる黄綬が6人、公衆の利益などに尽力した人に贈られる藍綬が7人、自ら進んで社会奉仕活動に従事し、徳行顕著な者に贈られる緑綬が1団体だった。
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受章者は次の皆さん。
【緑綬】和歌山市和歌浦片男波自治会(環境美化奉仕団体)和歌山市和歌浦南
【黄綬】磯部宏(64)㈱紀陽自動車社長、美浜町和田▽小森正剛(60)㈱小森組代表取締役、串本町串本▽新岡敏美(71)㈲新岡農園代表取締役、かつらぎ町窪▽寺前則彦(66)㈱寺前則彦設計室代表取締役、印南町西ノ地▽濵﨑吉晴(68)㈲勝浦測量設計事務所代表取締役、那智勝浦町朝日▽丸山芳則(69)㈱丸昌会長、和歌山市吉礼
【藍綬】市ノ瀬晴夫(76)保護司、日高川町千津川▽伊藤美知(68)調停委員、和歌山市岡山丁▽上田幸雄(72)民生・児童委員、和歌山市材木丁▽佐本桂子(71)元調停委員、和歌山市西高松▽辻本美須千代(79)湯浅町選挙管理委員会委員長、湯浅町湯浅▽藤井保夫(72)保護司、和歌山市加太▽森下正紀(68)県石油商業組合理事長、和歌山市有本
緑綬 和歌浦片男波自治会
1993年11月に片男波集会所を設置する際、国有地を借りる代わりに堤防と隣接する公園を清掃することを当時の仮谷志良知事と約束。それ以来25年間、自治会役員と地域住民が美化活動に取り組んでいる。
翌年から6月と11月に片男波海岸の堤防で大規模な清掃を開始。年2回の活動により、集会所ができる前は海から流れ着いたごみや不法投棄が集まる場所になっていたのが大きく改善。堤防がきれいになると不法投棄の数も減り、現在ではゼロになった。
隣接する8の字公園のトイレは2001年の設置以降、自治会と片男波こども園の保育士、保護者ら約20人からなる「8の字会」が毎日欠かさず清掃。堤防の掃除時期に合わせて公園の花も植え替え、河津桜、アジサイ、パンジーなど四季折々の花が公園を彩っている。
集会所設立時には1000人以上が住んでいた地区も、今は850人程度。自治会役員は17人。一人暮らしや高齢化も進み、活動を維持することや地域との接点づくりが課題になっている。
環境がきれいであれば、汚す人もいない。「美は美を守り美をつくる」が自治会の合言葉。玉置成夫自治会長(81)は「長年続けてきたことに意味があると思う。毎日トイレを清掃してくれることや、連携して堤防を掃除してくれるところに、住民の『きれいにしたい』という地域愛を感じる。地域でもらった褒章です」と話す。