平成最後のご来光 快晴の天守閣にぎわう
新年を迎えた1日、和歌山県和歌山市の和歌山城では元旦恒例の天守閣無料開放が行われた。雲一つない快晴の空となり、訪れた市民らは徐々に白んでくる東の空を眺め、平成最後の初日の出の光を浴びながら、記念撮影をしたり、手を合わせたりし、新しい時代の幕開けを晴れやかな気持ちで迎えた。
天守閣は午前6時から9時まで無料開放され、再建60周年の節目だった昨年の2918人よりは少なかったが、2329人(大人1873人、子ども456人)が訪れた。
市内の1日の日の出は午前7時5分。朝の最低気温は0・2度(6時51分)と昨年(6・2度)より大幅に冷え込んだが、ご来光を待つには絶好の空となり、太陽が山から顔を出すと、暖かな日差しが降り注いだ。
先着1000人に贈られた恒例のかわらけ(素焼きの杯)には、「平成三十一年己亥(つちのと・い)元旦」などの文字と葵の紋が記され、イノシシが描かれた登閣記念スタンプも人気だった。
ことしは紀州徳川家が和歌山に入国して400年の節目に当たり、和歌山城のにぎわいも期待されている。天守閣の入り口付近には、葵の紋の幕の前に鏡餅と生け花が飾られ、新春を祝う雰囲気を引き立てていた。
また、戦国時代の鉄砲集団・雑賀衆でまちの活性化に取り組む「孫市の会」がことしも甲冑(かっちゅう)姿で登城し、天守閣前で来場者と記念撮影するなどしていた。
同市西浜から訪れた男性(42)は「平成最後の初日の出なので見たいと思って来ました。澄んだ空に昇ってくる太陽がきれいで、気持ちいい新年のスタートになりました」と話していた。